昭和3年春、小豆島。まわりを海に囲まれた漁村の岬の分教場に大石久子という女学校を出たばかりの先生が赴任してきました。洋服を着て、自転車に乗る、当時としてはモダンな先生の姿は、村人たちの目にはまぶしく、なかなかうちとけられません。でも大石先生の子供たちに対するひたむきな情熱は12人の教え子たちの心をほぐし、やがてみんな彼女を慕うようになります。台風が去ったあと、荒らされた村の浜辺で、子供たちがいたずらに作った落とし穴に落ちた大石先生は足に大ケガを負い、学校を休まねばならなくなります。
「すぐ帰るから待ってて。」という言葉を信じて待つ生徒たち。しかし、何日たっても姿を見せない大石先生をつい
に待ちきれなくなり、自分たちだけで先生に会いに行こうとします。子供の足に8キロの道のりは遠く、これ以上歩けないほど疲れきっているところへ大石先生の乗ったバスが通りかかります。
久しぶりの再会に大喜びの子供たち。でも大石先生は足のケガのため分教場に通うことが出来ず、本校への転任が決まっていたのでした。
シャンゼリゼ商店街は40年前に出来た古い商店街。大型ショッピングモールに押され、ここ数年空き店舗が
目立ちはじめた。和菓子屋の主人稔を手伝い、切り盛りしているのは、和菓子屋に嫁いだみさき。みさきは、シ
ャンゼリゼ商店街を何とかしないと和菓子屋もつぶれてしまうと思い、商店街のみんなに働きかける。
しかし、みんなの腰は重たい。家族のことや、自分自身のことなど、みんなそれぞれに悩みを抱えている。加え
て、商店街から古い店を追い払おうとする圧力もあり、みさき一人の手に負えない。
そんなところに、市会議員の衣川が現れる。衣川の存在が、街にとって、人にとって、何が最善なのかを、考え
るきっかけになる。